それは、たった40日の恋だった――
青春小説の旗手・天沢夏月がおくる、純愛ストーリー。
八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。
天沢夏月
定価(本体590円+税) 

 本当に好きだった。こんなにも人を好きになることは、この先一生ないだろうとさえ思った。言葉や仕草の一つ一つ、ちょっとした表情の変化、笑い声、髪から香る石鹸のにおい……思い出すと息が苦しくなる。まるで肺の中に、炭酸でも入っているみたいに。
 ――透子。
 高校二年の夏。心臓の病が原因でなくなった彼女のことを、未だ引きずっていた成吾。
 あれから四年。交換日記の空白に綴られていく新しい返事。それは見間違えようもなく、透子の文字だった。

著者プロフィール

天沢夏月
1990年生まれ、神奈川県在住。『サマー・ランサー』にて第19回電撃小説大賞《選考員奨励賞》を受賞し、デビュー。瑞々しい感性で描かれる青春小説に定評のある気鋭の作家。