作家エッセイ 四季折々

作家エッセイ
四季折々

メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は第18回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》を受賞した成田名璃子がお贈りします。

※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第34回 「素敵な秋の迎えかた」 成田名璃子

私、秋って何してるんだっけ。このエッセイを書くにあたり、ふと思い立ち、過去の日記を10月限定で読み返してみました。
10年前の10月、大プレゼンがあり本当に嫌だった。9年前の同月、友達に誘われたBBQに参加。そこで会った男はやめとけと心から言いたい。8年前、研修に来た大学生に偉そうに説教。7年前、提出したコピーがポエムっぽくて星☆ぽえ夢の汚名を着せられる――って何、私の秋は暗黒なの? そして辿り着いた6年前、やっと素敵な出来事が。その日は会社帰りに突然の雷雨で、某ショップの軒下に雨宿りしました。すると中からお兄さんが出てきて傘をくれたそう。あったなあ、そんなこと。日記によると、私はその一週間前に、道でお婆さんの荷物を持ってあげたらしく、因果応報について熱く語っていました。

誰かへの贈りものが、ちゃんと返ってくる。世界ってけっこういい感じ。そんなわけで、素敵な秋を迎えるには、誰かに贈りものをするといいようです。

著者プロフィール

第17回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞を受賞し『空をサカナが泳ぐ頃』でデビュー。他の著書に『山がわたしを呼んでいる!』などがある。

成田名璃子の作品

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