作家エッセイ
四季折々
メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は2017年1月より連続ドラマがスタートする大人気シリーズ
『探偵・日暮旅人』シリーズの著者・山口幸三郎先生がお贈りします。 ※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第36回 「終始」山口幸三郎

 ジングルベルが鳴り止むと、今度は除夜の鐘が鳴り始めます。
 年を取ったせいでしょうか。一年が終わるたびに切ない気持ちになるのは。
 昔は年が明けるのを待ちわびていたのに、今では行く年を名残惜しむことの方が多くなりました。
 このまま終わってしまってもいいのだろうか。
 まだやり残したことはなかっただろうか。
 心残りは尽きません。
 大掃除は神様をお迎えするための行事でありますが、
 そこには物理的な「掃き清め」の意味と精神的な「祓い清め」の意味があるのだと聞きました。
 邪念・煩悩を祓うこと。それは旧年の未練を断ち切る行いでもあるのでしょう。
 除夜の鐘が響きます。
 一音一音に耳を傾け、心の中を大掃除。
 やり残したことにも「まあ、いっか」と見切りを付けて、
 さあ、新しい一年を始めましょう。

 私も、新しいことを始めます。

*著者プロフィール*
福岡県在住。2008年に第15回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞。翌年、受賞作『神のまにまに!』でデビュー。他の著作には『ハレルヤ・ヴァンプ』(電撃文庫)がある。

*山口幸三郎の作品*
・これは、目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人の『愛』を探す物語。
『探偵・日暮旅人の探し物』

・目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人の、『愛』を探す物語第2弾。
『探偵・日暮旅人の失くし物』

・目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人の、『愛』を探す物語第3弾。
『探偵・日暮旅人の忘れ物』

・――ついに、『愛』に、触れた。『愛』を探す探偵の物語、感動の最終巻。
『探偵・日暮旅人の贈り物』

・目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人の物語、セカンドシーズン開幕!
『探偵・日暮旅人の宝物』

・目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人の物語、セカンドシーズン第2弾!
『探偵・日暮旅人の壊れ物』

・クライマックスに向けて動き出す、『愛』を探す探偵の物語。セカンドシーズン第3弾。
『探偵・日暮旅人の笑い物』

・貴方の目には『愛』が見えますか?『愛』を探す探偵の物語、本編ついに完結!!
『探偵・日暮旅人の望む物』

・『愛』を探す探偵の物語が、番外編で登場。
『探偵・日暮旅人の遺し物』

・『愛』を探す探偵・日暮旅人の活躍を描いた人気シリーズの番外編第2弾。
『探偵・日暮旅人の残り物』