作家エッセイ
四季折々
メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は2017年1月より連続ドラマがスタートする大人気シリーズ
『探偵・日暮旅人』シリーズの著者・山口幸三郎先生がお贈りします。 ※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第5回 「花粉日和」浅葉なつ

 昔書き溜めたネタを見直したら、普段クールなイケメンが、花粉症を発症する期間だけオネェになるという案を見つけてひっくり返りそうになりました。春先になると、花粉症の人々が鼻水や目のかゆみに悩まされ、憂鬱になったりぼんやりしたりという姿が、私にそんな発想をさせたのでしょう。
 そんな私も幼少期より同症を患い、今でも春先には顔面崩壊を起こしております。桜の蕾も膨らむどこかウキウキする季節に、マスクの中は阿鼻叫喚など何の罰ゲームでしょうか。狸で言えば2月下旬~4月は発情期で子孫を残せるかどうかの瀬戸際なのに、こちとら鼻詰まりで呼吸ができずに命の瀬戸際を感じているのです。到底狸の世界では生きていけそうにありません(錯乱)。
 私にとって本当の意味での春は、花粉の飛散が治まった頃に来るのでしょう。その日を待ち望みながら、とりあえず担当さんに冒頭のネタをそっと提出してみようと思う、そんなある春の日でした。

*著者プロフィール*
四国生まれ関西在住。第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞し『空をサカナが泳ぐ頃』でデビュー。趣味は神社巡り。

*浅葉なつの作品*
・どんどん増えていく空のサカナ。いったい俺はどうなるの!?
『空をサカナが泳ぐ頃』

・山の知識ゼロ! そんな彼女が放り込まれた標高2000メートルのアルバイト!
『山がわたしを呼んでいる!』

・桜が散る頃、その音楽は生まれた――。
音楽に翻弄される三人の“音”物語。
『サクラの音がきこえる あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ

・犬並み嗅覚の女子大生&香道宗家跡取りが
ほのかに香る謎を紐解くアロマミステリー
『香彩七色 ~香りの秘密に耳を澄まして~

・神様にだって願いがある! “御用人”を
命じられた青年の東奔西走の日々が始まる!
『神様の御用人』

神様にだって悩みはある!
御用人・良彦の助っ人(パシリ)物語、第二弾!
『神様の御用人2』