作家エッセイ
四季折々
メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は2017年1月より連続ドラマがスタートする大人気シリーズ
『探偵・日暮旅人』シリーズの著者・山口幸三郎先生がお贈りします。 ※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第23回 「秋のプレミアムブレンド」似鳥航一

 四季の中で、秋が最も好きな方というのは結構多いのではないでしょうか?
 自分も秋生まれのせいか、この季節は妙にわくわくします。
 食べ物は美味しいですし、紅葉などの景色も綺麗ですし、静かで心地いい。秋の夜長は過ごしやすいだけに、読書などで心躍る時間がたっぷり楽しめますよね。
 と、そんな上記の言葉とは矛盾するようですが、秋独特の少し物悲しい感じも嫌いではありません。憂愁と言いますか、センチメンタルな気分に浸るのは案外悪くないものだと思います。別にナルシストではなくても。
 例えば、落ち葉が降る中を一人散歩してみたり、静かなピアノ曲を聴いてみたり。そんな行為の最中、過去を思い返して頭を抱えたくなるのも、たまになら乙なものでしょう。
 高揚と寂しさ。自由と孤独。楽しさと切なさ――それらを上質にブレンドして、本来はニュアンスの異なるものを綺麗に融け合わせる秋という季節は、人を一時的に少し大人にしてくれる気がします。

*著者プロフィール*
東京都在住。電撃小説大賞で見い出され、電撃文庫にてデビュー。小説のほかに、ゲーム制作も手掛ける。一癖も二癖もある人物造形には定評がある。

*似鳥航一の作品*
・心理の天才、心の魔術師たちが蠢く、あやし奇譚、ここに開幕
『心理コンサルタント才希と心の迷宮』

・心理学の迷宮へようこそ。誘うのは魔の美青年──。
『心理コンサルタント才希と悪の恋愛心理術』

・心理学の迷宮へようこそ。誘うのは魔の美青年──。
『心理コンサルタント才希と 金持ちになる悪の技術』

・下町の和菓子はあったかい。泣いて笑って、にぎやかなひとときをどうぞ。
『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』

・和菓子をほおばると、 下町のやさしさがあふれだす。
『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂2』

・葵の正体に心揺れる栗田。それぞれの想いとともに、 浅草の季節はうつろいでいく。
『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂3』

・下町情緒が色濃く残る浅草で、和菓子がとりもつ乙な縁。それはすでに別ちがたいものに。
『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂4』