作家エッセイ
四季折々
メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は2017年1月より連続ドラマがスタートする大人気シリーズ
『探偵・日暮旅人』シリーズの著者・山口幸三郎先生がお贈りします。 ※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第28回 「零れ桜」北川恵海

 春といえば、日本人が大好きな桜! 満開の桜も美しいものですが、一番は何といっても零れ桜。京都の木屋町通りの川沿いにある桜並木は圧巻です。私も毎年のように訪れます。零れ落ちた桜の花びらが川面を覆い尽くし、桜色に染まった川が緩やかに流れるその情緒。ほんのひと時だけ咲き乱れ、去りゆく姿が一番美しいなんて、なんて粋なんだ、桜。もし桜が三か月も咲き続ける花だったら、こんなにも皆に愛されていなかったかもしれません。儚く散る運命だからこそ美しい。擬人化するなら間違いなく薄幸の美少女。漆黒の髪と瞳に、透き通るような肌、もちろん頬と唇は淡い桜色……。こんな時、絵が描けたら楽しいだろうなあ。桜の美少女、誰か描いてくれませんかね。

*著者プロフィール*
大阪府吹田市生まれ。『ちょっと今から仕事やめてくる』で第21回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞しデビュー。珈琲と紅茶、甘いものとTVと音楽をこよなく愛する。

*北川恵海の作品*
・第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞。この優しい物語をすべての働く人たちに
『ちょっと今から仕事やめてくる』

・読んだ後は元気になれる人生応援ストーリー
『ヒーローズ(株)!!!』