作家エッセイ
四季折々
メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は2017年1月より連続ドラマがスタートする大人気シリーズ
『探偵・日暮旅人』シリーズの著者・山口幸三郎先生がお贈りします。 ※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第31回 「真夏に降る雪」綾崎 隼

2010年の夏。私は『吐息雪色』という小説を『雪』の季節に発売するため、汗だくになりながらパソコンに向かっていました。
「優しい雪が降り積もる夜だけは、大好きな人が何処へ向かったのかを知ることが出来る」などとキーボードを叩いていましたが、現実は猛暑です。肉体と精神の矛盾に、次第に頭がおかしくなっていきます。
今は真夏なのか、真冬なのか。私は蝶なのか、虎なのか。ミクロにおいて冬と夏が同時に成立するのであれば、マクロにおいても冬で良いのではないだろうか。甲子園の決勝戦9回2死で、アナウンサーが「日本文理の夏はまだ終わらない!」と叫んでいたけれど、むしろ冬もまだ終わってはいないのではないだろうか。
 そして、2016年。悲劇は繰り返されます。
新刊『風歌封想』は真夏の同窓会から始まる物語なのに、真冬に執筆することになったのです。しかし、私は革命的な解決策を思いつきました。発想を逆転させれば良いのです。
ここは南半球。あれは南十字星。私はアボリジニ。そう自分に言い聞かせながら書けば、季節は逆転します。この画期的な発明が多くの作家の精神を救うよう願い、ここに記します。

*著者プロフィール*
1981年生まれ。新潟市出身。2009年、第16回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>受賞作の『蒼空時雨』でデビュー。

*綾崎 隼の作品*
・これは、まるで雨宿りでもするかのように、誰もが居場所を見つけるための物語。
『蒼空時雨』

・「彗星」に願いを託す、切ないファースト・ラヴ・ストーリー。
『初恋彗星』

・夢見た虹を、永遠の先まで届けよう。これは、彼女の秘めたラヴ・ストーリー。
『永遠虹路』

・優しい「雪」が降り注ぐミステリアス・ラヴ・ストーリー。
『吐息雪色』

・憧憬の「太陽」が焼き尽くす、センチメンタル・ラヴ・ストーリー。
『陽炎太陽』

・最後に一度だけ、私は冒険してみます。
『風歌封想』

・現代のロミオとジュリエット、残酷な儚き愛の物語。
『ノーブルチルドレンの残酷』

・現代のロミオとジュリエット儚き愛の物語、第二幕。
『ノーブルチルドレンの告別』

・現代のロミオとジュリエット、儚き愛の物語、第三幕。
『ノーブルチルドレンの断罪』

・現代のロミオとジュリエット、儚き愛の物語、最終幕。
『ノーブルチルドレンの愛情』

・愛も、憎しみも、生も、死も、その未来を奪えない。
『ノーブルチルドレンの追想』

・そこに痛みしかなくても、好きな気持ちは殺せない。この世界には想うしかない恋もある。
『INNOCENT DESPERADO』

・時の流れは容赦なく、覚悟もないままの僕らを大人にした。
『赤と灰色のサクリファイス』

・愛しいだけじゃ、満たされない。
『青と無色のサクリファイス』

・もう二度と、僕の心には誰の言葉も届かない。
『未来線上のアリア』

・炎のストライカー、中山雅史推薦! 綾崎隼デビュー5周年記念で贈るサッカー小説。
『レッドスワンの絶命』

・その未来は『絶命』か『生還』か。復活を期す古豪チーム『レッドスワン』に、容赦なき決着の刻が迫る――。
『レッドスワンの星冠』

・最高の舞台で、忘れられない闘いを。 日本で一番熱い冬が、今、始まる――!
『レッドスワンの奏鳴』