作家エッセイ
四季折々
メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は2017年1月より連続ドラマがスタートする大人気シリーズ
『探偵・日暮旅人』シリーズの著者・山口幸三郎先生がお贈りします。 ※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第32回 「怪談」浅葉なつ

 夏といえば怪談話ですが、神様の話を書かせていただいている手前、神社では資料のために写真を撮ります。すると「変なモノが写りこんだりしていることってないの?」と、訊かれることがあります。
 残念ながら私は、霊感というものが皆無です。これまでいくつもの神社・霊場に足を運びましたが、人外のモノを写したことはありません。この神社は清々しいなとか、ここはちょっと好きじゃないなとか思うことはあっても、それは単なる好みであって霊感とは違います。高野山の御廟に続く墓地に踏み込んだ際に、初めて足がすくむという経験をしましたが、雨降りの暗い空の下で苔生した墓石と巨木が立ち並ぶ姿を見たら、誰だって一瞬ためらうでしょう。そんなわけで霊感とか心霊現象とか、そういうものとは無縁の凡人です。
そう、だからこの夏で一番ゾッとしたことといえば、締め切りを五日過ぎてからこの原稿の依頼を思い出したことくらいですよ……。

*著者プロフィール*
第17回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞を受賞し『空をサカナが泳ぐ頃』でデビュー。他の著書に『山がわたしを呼んでいる!』などがある。

*浅葉なつの作品*
・第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞作
どんどん増えていく空のサカナ。いったい俺はどうなるの!?
『空をサカナが泳ぐ頃』

・山の知識ゼロ! そんな彼女が放り込まれた標高2000メートルのアルバイト!
『山がわたしを呼んでいる!』

・桜が散る頃、その音楽は生まれた――。音楽に翻弄される三人の“音”物語。
『サクラの音がきこえる あるピアニストが遺した、パルティータ第二番二短調シャコンヌ』

・犬並み嗅覚の女子大生&香道宗家跡取りがほのかに香る謎を紐解くアロマミステリー
『香彩七色 ~香りの秘密に耳を澄まして~』

・神様にだって願いがある!“御用人”を命じられた青年の東奔西走の日々が始まる!
『神様の御用人』

・神様にだって悩みはある!御用人・良彦の助っ人(パシリ)物語、第二弾!
『神様の御用人2』

・神様にだって事情はある!神様と人間の温かな繋がりを描く助っ人物語。
『神様の御用人3』

・御用人シリーズ待望の4巻目は和歌山出張!良彦と黄金のコンビが、古代紀国に迫る!
『神様の御用人4』

・御用人“本採用”となった良彦が今回は九州へ!?大人気シリーズ第5弾!
『神様の御用人5』

・シリーズ累計100万部突破!神様と人の子の心温まる「絆」の物語。
『神様の御用人6』