作家エッセイ
四季折々
メディアワークス文庫の作家が「季節」をテーマに綴るエッセイ。
今月は2017年1月より連続ドラマがスタートする大人気シリーズ
『探偵・日暮旅人』シリーズの著者・山口幸三郎先生がお贈りします。 ※メディアワークス文庫に挟まれている刊行情報チラシ「HeadLine」にも同じエッセイが載っています。
第34回 「素敵な秋の迎えかた」成田名璃子

 私、秋って何してるんだっけ。このエッセイを書くにあたり、ふと思い立ち、過去の日記を10月限定で読み返してみました。
 10年前の10月、大プレゼンがあり本当に嫌だった。9年前の同月、友達に誘われたBBQに参加。そこで会った男はやめとけと心から言いたい。8年前、研修に来た大学生に偉そうに説教。7年前、提出したコピーがポエムっぽくて星☆ぽえ夢の汚名を着せられる――って何、私の秋は暗黒なの? そして辿り着いた6年前、やっと素敵な出来事が。その日は会社帰りに突然の雷雨で、某ショップの軒下に雨宿りしました。すると中からお兄さんが出てきて傘をくれたそう。あったなあ、そんなこと。日記によると、私はその一週間前に、道でお婆さんの荷物を持ってあげたらしく、因果応報について熱く語っていました。
 誰かへの贈りものが、ちゃんと返ってくる。世界ってけっこういい感じ。そんなわけで、素敵な秋を迎えるには、誰かに贈りものをするといいようです。

*著者プロフィール*
青森県生まれ、東京都在住。魚座、A型。趣味は星占いと散歩。昔は東京に憧れていたが、今は田舎に憧れを持っている。会社員を辞め、現在はフリーのコピーライターも兼業。座右の銘は「何となく」。

*成田名璃子の作品*
・3K女と呼ばれる咲子。彼女の心を暖めてくれるのは一つの灯り。
『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』

・いろんな悩みを抱える人々が、今日も街角の彼女のもとに集う──。
『悩み相談、ときどき、謎解き? ~占い師 ミス・アンジェリカのいる街角~』

・第18回電撃小説大賞≪メディアワークス文庫賞≫受賞作家が贈る、心優しいミステリー。
『悩み相談、ときどき、謎解き?2 ~占い師 ミス・アンジェリカの消えた街角~』

・第18回電撃小説大賞≪メディアワークス文庫賞≫受賞作家が贈るさわやか青春ストーリー。
『ベンチウォーマーズ』

・告白、復讐、秘密!? 5年前の様々な想いを抱えた面々に訪れた同窓会の騒動とは──。
『クラス会へようこそ あの頃の想い、取りに帰ろう。』

・「不動産屋って、その人の人生の居場所とか、幸せまで探せる仕事なんじゃないですか?」
『不動産男子のワケあり物件』

・作り手の想いがこもった一点物。時代を越えて綴られた想いを繋ぐ物語──。
『幸せの青い贈りもの』