試し読み第二話
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物 語

 日がな一日サロンで惰眠を貪る日陽新聞社の記者、内藤久馬。そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは、辞書ではなく妖怪の本。彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。
 ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。彼女の名は井上香澄。久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、妖美な男・芝浦艶煙。曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、友人は貞操の危機を免れたのだというが!?

推薦コメントを頂きました!

峰守ひろかず絶賛!!! (『絶対城先輩の妖怪学講座』『お世話になっております。陰陽課です』シリーズ著者)

共感できて憧れられる登場人物達、明治ならではの空気感、そして妖怪の素敵な使い方! 好きな要素しかない話でした。最高! あやかしたい。じゃなくてあやかりたい。

――あまりにも面白かったので、紹介文を書いてみました!

東西、東西。いくら時代が変わっても民の苦労は変わりゃせず、口に出せない怨嗟の声は、妖しく怪しいモノを呼ぶ。件(くだん)、生きた絵、髪の鬼、徘徊する死者、神隠し、そしてご存じ百物語! 偏屈な記者と気さくな役者、そして正義のお嬢様が、明治の御代に語って記すは、果たして夢か幻か。近代あやかしほっこり人情劇、ここに開幕! 東西、東西!

登場人物

香澄(かすみ)

幼い頃に母を亡くし、父・兄と三人で暮らしている。おてんばで、情に厚い性格の持ち主。

久馬(きゅうま)

端正な顔をした日陽新聞社の記者。妖怪をネタにした新聞記事を書いている。

艶煙(えんえん)

奇抜な着流しを身にまとった、自称“役者崩れ”。久馬と行動を共にしているようだが――?

こんな妖怪や不思議な事が記事に!?

これらの妖怪や不思議な出来事を久馬はどう記事にして、人々を救うのか――。

  • 第一話
    「件(くだん)」

    顔は人、身体は牛の妖怪。牛から生まれ、人間の言葉を話す。必ず当たる予言をし、数日で死ぬ。

  • 第二話
    「髪鬼」

    女の嫉妬心や怨念がこもった髪が妖怪となったもの。恨みを晴らすまで、幾晩でも現れる。

  • 第三話
    「さまよえる死体」

    半年ほど前に亡くなった娘が、村を夜な夜な歩き回る。どうやら自分を殺した人物を探しているらしい――。

  • 第四話
    「神隠し」

    ある日忽然と人が消えてしまう現象。神や鬼、狐などの仕業とも考えられている。

担当編集者が語る作品の魅力

日がな一日サロンで惰眠を貪り、普通の記事を書かず、たま~に“妖怪記事”を書く新聞記者。そして、妙な色気があって一体何を考えているのか分からない自称“役者崩れ”の男。そんな彼らが秘密の“裏稼業”をしているなんて、ちょっとワクワクしてきませんか?
あやかし、謎解き、恋模様など、素敵な要素が沢山詰まった本作。
彼らの“裏稼業に”ひょんな事から巻き込まれる事となった主人公の香澄が味わうドキドキを、読者のみなさまにも感じて頂ければと思います!

さとみ桜から読者の皆さんへ

明治という時代。欧米の文化が勢いよくなだれ込み、古いものが淘汰されていく中で、妖怪たちはひょっこり生き残っていた。彼らは実は、新聞記事の中でいつの日かふたたび表舞台に出られる日を、息をひそめて待っていたのだ……!
なんて書くとファンタジーのようですが、なんと妖怪は名前しか出てきません。
妖怪は一体どこから現れたのだろう? 元々は何だったのだろう? 人間の見間違い? それとも故意に創りあげられたもの? 常々気になっていたことを、お話にしてみました。
あやしい記事で人助けをする新聞記者、妖怪好きな役者、そして二人に興味津々の少女。彼らが織りなす物語をお楽しみいただければ幸いです。

作家プロフィール

さとみ桜(さとみ さくら)

生まれも育ちも学校も勤め先も岐阜県某市の引きこもり系。ヒゲ、筋肉、オッサンが好き。しかしながら理解者は少なく、寂しい人生を送っている。趣味は睡眠。特技は迷子。最近は人生にも迷っているらしい。

作家インタビュー

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