• STORY

 難関美大を目指す高校生のかいは、沖縄の離島を訪れていた。昔から絵を描くのが好きだった、
だけどどこか感情の抜け落ちた絵しか描けない……そんな自分の殻を破るヒントを探す創作旅行だ。
 島に到着した夜、どこからか聴こえてくる歌声に導かれ、海斗は海岸へと足を向ける。
海に浮かぶ岩に腰かけ、月を見上げて歌う幻想的な姿――そこには“人魚”がいた。
「私、かぜ! 君は?」人魚のような不思議な島の少女は、海斗が絵を描きに来ていると知り、
島の案内を買って出てくれた。二人で過ごしていくうちに、どうしようもなく彼女に惹かれていった海斗は、

この島に眠る人魚の伝説と風乃を待ち受ける悲しい運命に直面する――。 この島に眠る人魚の伝説と風乃を待ち受ける悲しい運命に直面する――。

  • CHARACTER

  • 高木海斗(たかぎ・かいと) 高木海斗(たかぎ・かいと)

    高木海斗 (たかぎ・かいと)

    美大受験を控えた根っからの文化系男子。油絵の技術は一流だがそれを隠している。絵を描き始めると周りが見えなくなる。
    過去のトラウマから人間不信気味。嫌なことがあっても空気を読んで愛想笑いをする。気が弱く、照れや動揺を隠す。
    絵画コンテストに出品する絵を描くため沖縄の離島・志嘉良島にやってくる。

  • 伊是名風乃(いぜな・かぜの) 伊是名風乃(いぜな・かぜの)

    伊是名風乃 (いぜな・かぜの)

    生まれも育ちも沖縄の志嘉良島。スポーツ万能、特に水泳が得意。勉強は苦手。人や動物に好かれる。
    元気で明るい。他人の悪口を言わない。常に笑顔で冗談を言って場を和ませる。生き物好きですぐ触る。志嘉良島が大好き。苦しんでいる人を放っておけない。
    積極的で誰とでも仲良くなるが、本心は隠している。

  • 上原京花(うえはら・きょうか)

    上原京花 (うえはら・きょうか)

    歌手志望で、風乃が通う高校のルームメイト。歌の技術は未熟だが、心に響く歌声。
    UVカットのタイツを穿いて日焼け対策を徹底している。
    口調が強くあまり笑わないため近寄りがたい。男経験ゼロ、純情なツンデレ。本当は友達想いで優しい。親友の風乃が大好きだが態度には出せない。

    上原京花(うえはら・きょうか)
  • 城間大地(ぐすくま・だいち)

    城間大地 (しろま・だいち)

    運送業者。青年会のリーダーで島の若手の代表。人間離れした腕っぷしの強さ。
    喜怒哀楽の怒以外の感情は出さない。寡黙。バリバリの方言。お礼や謝罪をしないし、相手にも求めない。初対面では恐いお兄さんとしか思えないが、島民からは真面目で優しいと評される。根は優しい力持ち。

    城間大地(ぐすくま・だいち)
  • 秋山葉一(あきやま・よういち) 秋山葉一(あきやま・よういち)

    秋山葉一 (あきやま・よういち)

    フリーの画商をしつつ、海斗が通う絵画教室の先生も兼任している。有名美大の卒業生。審美眼は一流だが、絵描きとしての才能は希薄。
    口喧嘩が強く偏屈。無駄が嫌いで手段を選ばない。頭が良く合理的。しかし海斗を育てるためなら労力を惜しまない。画家の名言を引用する癖がある。

  • VIEW OF THE WORLD

  • 人魚伝説

    漁の網にかかった人魚を逃がしてあげたことで、人魚は島を襲う大津波を予言して島民たちに伝えた。
    人魚の話を信じた村の人々は無事に避難したが、人魚の話を信じなかった隣の村の人々は命を落とすこととなった。

  • 志嘉良島

    日本の最南端に近い沖縄の離島の一つ。沖縄の数ある有人島の中で最も人口が少なく、全島民が三百人ほど、そのうち五十パーセント
    以上が六十五歳以上のお年寄りで、いわゆる限界集落。コンビニはもちろん、信号機も自販機も無い。

  • ユタ

    沖縄に古くからある民間霊媒師。代々不思議な力を受け継ぎ、その霊能力で超自然的世界と交信してお告げを行うなど祭事を生業としている。

  • 特別書き下ろし掌編

  • これは二人が
    出会うまでの前日譚

  • 前日譚を読む

  • INFORMATION


どこまでも蒼いこの島で――未来を描けない僕と彼女のひと夏の恋物語。

 僕の世界はニセモノだった。あの夏、どこまでも蒼い島で、君を描くまでは――。
 美大受験をひかえ、沖縄の志嘉良島へと旅に出た僕。どこか感情が抜け落ちた絵しか描けない、そんな自分の殻を破るための創作旅行だった。
「私、伊是名風乃! 君は?」
 月夜を見上げて歌う君と出会い、どうしようもなく好きだと気付いたとき、僕は風乃を待つ悲しい運命を知った。
 どうか僕といた夏を君が忘れないように、君がくれたはじめての夏を、このキャンバスに描こう。

  • 発売日 :
  • サイズ :文庫判
  • 定価 : 本体650円(税別)

ISBN : 9784049136838

  • 発売日 :
  • サイズ:文庫判
  • 定価:本体650円(税別)

ISBN : 9784049136838