物 語

怪奇現象のお悩みは、四十四番資料室まで。
その事件(オカルト)、絶対城が解決します。

 妖怪に関する膨大な資料を蒐集する、長身色白、端正な顔立ちだがやせぎすの青年、絶対城阿頼耶。白のワイシャツに黒のネクタイ、黒の羽織をマントのように被る彼のもとには、怪奇現象に悩む人々からの相談が後を絶たない。
 季節は春、新入生で賑わうキャンパス。絶対城が根城にしている東勢大学文学部四号館四階、四十四番資料室を訪れる新入生の姿があった。彼女の名前は湯ノ山礼音。原因不明の怪奇現象に悩まされており、資料室の扉を叩いたのだ――。
 四十四番資料室の妖怪博士・絶対城が紐解く伝奇ミステリ。

登場人物

絶対城阿頼耶
(ぜったいじょう あらや)

東勢大学文学部の四十四番資料室を根城に、学内外の怪奇現象の相談を受けている。黒い羽織がトレードマーク。

湯ノ山礼音
(ゆのやま あやね)

四月に入学したばかりの経済学部の新入生。アルコールを摂取すると耳鳴りがする特異体質で、絶対城に相談を持ちかける。

杵松明人
(きねまつ あきと)

絶対城の数少ない友人。理工学部の三年生。元演劇部で、いつも白衣を身に纏っている爽やか眼鏡男子。

クラウス・
インフォレスト

絶対城の師匠にあたり、四十四番資料室を絶対城に譲った。現在は某大学附属の比較文化研究センターの教授でもある。

織口乃理子
(おりぐち のりこ)

東勢大学文学部、国文学科准教授。実家は大学の設立にも寄与した織口財閥だったが、現在は解体され存在しない。

特別企画!!
水口十による
キャラクター初期設定を大公開!

担当編集者が語る作品の魅力

 白いワイシャツに黒のネクタイ、マントのように被った黒い羽織。怪しげな雰囲気満載の絶対城が、大学内外で起こる怪奇事件を持ち前の妖怪知識で解決していく本作の魅力は、生き生きとしたキャラクターたちと妖怪蘊蓄だと思います。容姿端麗・頭脳明晰にもかかわらず、それを実生活に生かさず妖怪の研究に勤しむ絶対城は言わずもがな、合気道で絶対城を助ける格闘ヒロイン礼音、絶対城の友人にして理系男子の杵松など、個性豊かなキャラクター達が大活躍します。そして、「妖怪」とは一体何なのか――絶対城の知識を通して描かれる驚愕の正体にも、あっと驚かされること間違いなしです。

B's-LOG COMICSより
『絶対城先輩の妖怪学講座』
コミックス全2巻好評発売中!
漫画/炬太郎 原作/峰守ひろかず
キャラクター原案/水口十

容姿端麗・頭脳明晰・性格最悪の妖怪博士・絶対城が、ついにコミックで動き出す! 相棒である理系男子・杵松と、大学の新入生にして格闘少女・礼音も大活躍。妖怪にまつわる謎を華麗に解き明かすぞ!

B's-LOG COMICのHPはこちら。

峰守ひろかずが贈る新シリーズ!
『お世話になっております。陰陽課です』1~2
好評発売中!

京都の町には妖怪がいっぱい!? でも妖怪だって大事な市民。新米の市役所職員・祈理と、公認陰陽師の五行主任が妖怪たちの生活を守ります!

作品の詳細はこちら。
文庫第6巻&コミックス第1巻 同時発売キャンペーン開催!
作家・峰守ひろかずインタビュー!

峰守ひろかず
滋賀県在住。第十四回電撃小説大賞で〈大賞〉を受賞してデビュー。ユーモラスな作風と怪異に関する知識に定評がある(と言われたい)。好きな別れの挨拶は「良き青空を」。

妖怪図鑑
絶対城が謎を解き明かす
妖怪たちの一部を紹介するぞ!

べとべとさん 奈良県に伝わる妖怪。夜道を歩いている時、後をつける足音が聞こえてくるという怪異。振り返っても姿は見えないが、道の片隅に寄り、「べとべとさん、先へお越し」と言うと、足音は先へ抜けて行くという。

幽霊 怨みを残して死んだ人間の霊魂が、生前の人格や記憶、容姿を保ったまま現世に現れたものをいう。足がなく、白の経帷子を身に纏い、額に三角紙を付けた姿が一般的。

付喪神(つくもがみ) 九十九神とも書く。長く使用された器物が化けた妖怪の総称。古い道具は百年を経て化け、悪事を働くようになるので、その前に処分しなければならないとされた。粗末にされたり、乱暴に扱われた道具は付喪神になって祟るとも言われる。

馬鬼(うまおに) 愛媛県などに伝わる妖怪。城主とともに事故で死んだ白馬の霊が化けたもので、目は赤く輝き、口は大きく裂け、巨大なたてがみを持つ。人を襲う危険な妖怪だったが、六地蔵を建てて供養の法会を営むと、現れなくなったという。

ぬらりひょん 和歌山県などに伝わる。小柄な体と、それに見合わないほど大きく、かつ前後に長い頭を持った老人の姿で描かれる。日暮れ時などに人家の近くにふらりと現れるとされているが、人に害を加えることはない。

覚(さとり) 全国各地に伝わる。山中に住む人間型の妖怪で、人の心を読みとることができる。木こりや猟師を食おうとするが、予期せぬ出来事に驚いて逃げ去るという内容の伝承が各地に残っている。一方、とくに危険なものではないと伝えている地域も多い。山人ともいう。