わたしの家のおとなりには、どうやらあの「晴明さん」が住んでいる――。
京の早春を花と灯りで飾る東山花灯路にて、狐の花嫁行列が妨害される事件が起こる。
花嫁の身代わりを引き受けた桃花の前に現れたのは、かつて京に跋扈し、お隣に住む陰陽師・晴明さんとも遠い昔に縁のある妖狐だった。
孤独のせいで悪を成していた妖狐を優しい狐夫婦の元へ生まれ変わらせようと、晴明さんは東奔西走。そこに、ある神様が異議を申し立て――。
平安の世から現代京都へ、悠久の歴史が織りなす優しいあやかしファンタジー。
目次
第二十六話 狐の花嫁
第二十七話 青龍は春に踊る
第二十八話 子守唄の生まれる場所
第二十九話 和歌の神様と曲水の宴
第三十話 屋敷神の独り言
第三十一話 牛頭天王と子狐の涙
発売日:2020年2月22日 サイズ:文庫判
定価:671円(本体610円+税) ISBN:9784049130874