物 語

「今から3時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです――」
 卒業を間近に控えた高校生の篠原純一が数週間ぶりに登校してみると、何故か校庭には底の見えない巨大な“穴”が設置され、教室には登校拒否だった生徒を含むクラスメイト全員が揃っていた。
 やがて正午と共に何者かから不可解なメッセージが告げられる。最初はタチの悪いイタズラだと思っていた篠原たちだが、最初の“犠牲者”が出たことにより、それは紛れもない事実であることを知る。

 生き残るためクラスメイトに投票し生贄を選出するか――
 それとも自ら生贄に志願し“穴”へ飛び込み他者を救うか――

 生徒たちに課せられた残酷な《ゲーム》。
 果たして生き残るのは――

登場人物
《三年四組》
  • 篠原純一
    旅行が趣味でよく学校をサボっている。オセロ同好会所属。

  • 鈴木理香
    風紀委員長。快活な性格の少女でクラスのアイドル的存在。

  • 紺野レイ
    小柄な少女。理知的な思考の持ち主で成績も学年トップ。

  • 斉藤優美
    レイの親友。読書が趣味で内向的な性格の少女。

  • 東山
    クラス委員長。気配りのできる性格でクラス委員としては優秀。

  • 本田龍也
    ひょろりとした少年。クラスになじめず登校拒否を続けていた。

  • 川村 博
    サッカー部所属。試合で怪我をして現在はリハビリを続けている。

  • 小沢
    軽音楽部所属。バンド「パラドクス」のメンバー。

  • 田中
    軽音楽部所属。「パラドクス」のメンバー。

  • 中沢
    軽音楽部所属。「パラドクス」のメンバー。

  • 山根愛花
    三年四組の担任教師。

《その他》
  • 藤林翔一朗
    三年一組。オセロ同好会所属。華奢な体つきの中性的な少年。

  • 氷山裕貴
    三年七組。オセロ同好会メンバー。陸上部所属で女子の人気も高い。

  • 水島涼子
    三年八組。放送委員長。チェス研所属。男物のコートを好んで羽織る。

  • 秋野詩織
    三年二組。藤林が想いを寄せている少女。

  • 岩淵
    三年五組。前生徒会長。

  • 石原恭子
    三年六組。美化委員長で陸上部所属のスポーツ少女。

担当編集者が語る作品の魅力

 生贄を捧げなければ全員死亡。
 他人を助けるために自分の身を捧げるか、それとも他の誰かを生贄にするか?
《友情、愛情、疑心暗鬼、裏切り、自己犠牲、偽善》究極の選択を迫られた高校生たちの心理状態と、そこから起こる“駆け引き”をリアルに描いた『生贄のジレンマ』。このゲームを勝ち抜けるのは誰か? そして、クリアした先に待ち受けているものとは――?
 プレイヤーの一人になったつもりで本書を読まれてみるのも一興かと思います。

  • 『生贄のジレンマ〈上〉』
    定価(本体590円+税)
  • 『生贄のジレンマ〈中〉』
    定価(本体570円+税)
  • 『生贄のジレンマ〈下〉』
    定価(本体590円+税)
作家・土橋真二郎インタビュー!

土橋真二郎
『扉の外』で第13回電撃小説大賞〈金賞〉を受賞し作家デビュー。極限状態に置かれた登場人物たちのリアルな心理描写に定評がある。

メディアミックス
衝撃の問題作『生贄のジレンマ』
DVD<上><中><下>
三部作、発売中!
土橋真二郎が贈るメディアワークス文庫作品
  • 人質のジレンマ
    <上><下>
    各定価(本体570~590円+税)

    「今から人質ゲームを始めます」ある日一人の女生徒が自分の命を人質に学校関係者へ交渉を持ちかける。提示された条件は罪を犯した教師の贖罪、そして十人の自殺志願者!? 戦慄のジレンマゲーム第2弾!

  • 殺戮ゲームの館
    <上><下>
    各定価(本体550円+税)

    出会いや遊びを目的とした大学のオカルトサークルに所属する福永は、ネットで調べたという自殺サイトからある廃墟にたどり着いた。そして目が覚めた時、サークルの11名が密室に閉じ込められ、殺戮のゲームが始まりを告げる──。

  • 演じられたタイムトラベル
    定価(本体630円+税)

    制作の頓挫したゲームアプリの開発者たちが一同に集められ、ゲームのプレイヤーを“演じる”ことを命じられる。矛盾を起こせば死――記憶だけを頼りに抜け落ちた時間のイベントを補完する、決死の舞台が幕を開ける。

  • FAKE OF THE DEAD
    定価(本体570円+税)

    「世界はゾンビに汚染された」ゾンビから逃れ、街のホームセンターに立て籠る真鍋と仲間たち。だが、それら全ては彼女の深雪を救うために創りあげられた“偽りの終末”だった!? 土橋真二郎が贈る新たなる人間劇!