






17歳の少年。母を病で亡くし、父は母の死後に蒸発したため一人暮らし。年齢を隠して、肉体労働の夜間アルバイトに従事している。母の葬儀代を捻出するため、西川の持ちかけた奇妙な取引に応じる。
17歳の少年。お手伝いさんがいるような豪邸に住み、有名私立高校に通っている。坂田の働く工事現場を訪れ、坂田に対して、月20万円を支払う代わりに自分の友人として振る舞うようにという取引を持ちかける。ピアノの演奏が一番の趣味。
買ったあいつと、買われた俺は、たぶん同じように飢えていた。
「買わせてくれない? 君の時間を、月20万円で」
高校2年の冬。枕元には母の骨があった。長く闘病した母が死んで、一度も頼れたことなどなかった父は蒸発した。
全てを失った少年・坂田は、突然目の前に現れた西川と名乗る男に、奇妙な取引を持ちかけられる。
母の葬儀代を稼ぎたい一心で応じた坂田に、実は同い年だという西川が提示した条件は、更に不可解なものだった。
1.毎日、高校にくること
2.僕と同じ大学に合格して通うこと
3.今日から友人として振る舞うこと
金で結ばれた関係はやがて説明のつかない「本物」へと形を変える。愛に飢えた少年たちが紡ぐ、透明な青春譚。
ISBN : 9784049148619
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