ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。
やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があった。 二人は自分の居場所を見つけるため、互いに秘密を打ち明け始める。まるで、雨宿りでもするかのように。
巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー『蒼空時雨』。
この『蒼空時雨』を第一弾として、狂おしいまでのすれ違いに彩られたファースト・ラヴ・ストーリー『初恋彗星』、永遠を願い続けた女性の人生を辿る『永遠虹路』、喪失と再生を描く『吐息雪色』、今そこにある愛と、忘れられるはずもなかった愛を描く『陽炎太陽』、往復書簡で綴られる恋物語『風歌封想』という恋愛ミステリーが、『花鳥風月』シリーズとして、多くの読者に愛されている。
人を恋するということ。人を愛するということ。もっとも単純で、もっとも複雑な、すべての人間がとらわれてしまうこの感情。男性も女性も、焦がれ悩み続けるこのテーマを、驚きのトリックを内包した素敵なストーリーに乗せて伝えているのが、この『花鳥風月』シリーズです。読んだ後に、思わずもう一度ページをめくり直したくなるミステリー要素もありますので、そのオチを予想しながら読むのも一興かもしれません。
私立赤羽高等学校サッカー部『レッドスワン』。
九度の全国大会出場経験を持つ新潟屈指の名門は、不運なアクシデントが続き崩壊の危機に瀕していた。
試合中の負傷によって選手生命を断たれた少年、高槻優雅は、為す術なくその惨状を見届けるのみだった。
しかし、チームが廃部寸前に追い込まれたその時、救世主が現れる。
新しい指揮官として就任したのは、異例とも言える女性監督、舞原世怜奈。
彼女は優雅をパートナーに選ぶと、古臭く凝り固まってしまった名門の意識を根底から変えていく。
どんなチームよりも<知性>を使って勝利を目指す。
新監督が掲げた方針を胸に。
絶命の運命を覆すため、少年たちの最後の闘いが今、幕を開ける。
小説では珍しいスポーツモノ、サッカーを題材とした物語です。自身でも日常的にプレイしている、無類のサッカー好きの綾崎さんだからこそ描くことのできた作品です。サッカーの戦術や戦略の描写にリアリティがあるところが特徴なのですが、それだけではなく、綾崎さんの『本来の売り』である少年少女達の恋愛模様の行方がとても気になる!作品に仕上がっています。サッカーを知らない人も知っている人も楽しめますので、是非手にとってみてください。
美波高校に通う旧家の跡取り舞原吐季は、一つだけ空いた部室を手に入れるため『演劇部』と偽って創部の準備を進めていた。しかし因縁ある一族の娘、千桜緑葉も『保健部』の創部を目論んでおり、部室の奪い合いが始まってしまう。吐季は琴弾麗羅を、緑葉は桜塚歩夢をパートナーとして、周囲で起こる奇妙な事件の推理勝負にて部室の所有権を決めようとする。反目の果てに始まった交流は、やがて二人の心を穏やかに紐解いていくことになるのだが……。
ポップなミステリーで彩られた、現代のロミオとジュリエットに舞い降りる、美しくも儚き愛の物語。
裕福な家庭に育ったものの、その血族のしがらみから逃れることのできない少年少女たちの切ないラブストーリーです。
加え、美麗で個性的なキャラクターたちによる「推理合戦」は、ミステリー好きの方にもお薦めです。
スタイリッシュで、儚い想いを追い求める現代のロミオとジュリエットの物語を、是非ご堪能ください。
INNOCENT DESPERADO
著/綾崎 隼 イラスト/秋 赤音
命の後で咲いた花
著/綾崎 隼 イラスト/ワカマツカオリ
たとえば彼女が死んでも、きっとその花は咲くだろう。
絶望的な愛情の狭間で、命をかけて彼女は彼のものになる。
愛と死を告げる、新時代の恋愛ミステリー。
綾崎 隼
1981年如月生まれ。新潟市在住の兼業作家。第16回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉を受賞し、後に舞台化された『蒼空時雨』でデビュー。
★綾崎 隼作品ファンのためのスペシャルデータ★
作家・綾崎 隼の全作品に登場するキャラクターの関係性が一目でわかる「人物相関図」は、こちら!