

著者:一条 岬コメント
”僕は自分を驚かせることなく、その生涯を送るものだと信じていた。”応募原稿では、最初の一文がそれでした。
その一文から始まった物語が受賞作となり、本となり、映画の原作となる。
一番驚いているのは私かもしれません。
映画のみならず、原作で描き切れなかったもう一つの物語がスピンオフになりました。
これは映画の脚本に感銘を受け、あらためて世に送り出したいと思った作品です。
恋を超え、涙を超え、もう一人の主人公が不器用ながらも大切な何かを手に入れる話。
映画の鑑賞と合わせて、是非ご覧いただければと思います。
PV
櫻井孝宏がナレーションを務める
スペシャルPV公開!!
STORY
僕の人生は無色透明だった。
日野真織と出会うまでは――。
クラスメイトに流されるまま
仕掛けた嘘の告白。
だけど彼女は、3つの条件と引き換えに
その告白を受け入れるという。


そうして始まったニセモノの恋。
やがてそれが嘘とは
言えなくなったころ――僕は知る。
「病気なんだ、私。
前向性健忘って言ってね。
夜眠ると忘れちゃうの。
一日にあったこと、全部」
日ごと記憶を失う彼女と、
一日限りの恋を積み重ねていく日々。
しかし、それは突如終わりを告げ……。
唐突にやってくる衝撃の瞬間
その先に待つ驚きの結末に、
読む人すべてが感動に包まれる!
RECOMMEND
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三上 延(作家/最終選考委員)
前向性健忘という使い古されたアイディアに最初は悲観しましたが、いい意味で期待を裏切られました。ハイレベルな青春小説です。
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吉野弘幸(アニメーション脚本家/最終選考委員)
「一日で記憶がリセットされる前向性健忘モノかぁ。手垢が付きまくってるのによく飛び込んだな、よっぽどじゃないと評価できないぞ」と、眉にツバつけて読み始めたわけですが、その予想は良い意味で大きく裏切られ『よっぽど』でした。
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斜線堂有紀(作家)
いつか死んでしまう私達が、いつか忘れてしまう思い出を作る理由は、この小説が教えてくれる。この小説を読み終えて、あなたはきっと『衛生感』という言葉を少し特別に思うようになるだろう。この世界にあった優しい恋の話と共に思い出すようになるだろう。
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Koichi(写真家)
明日が来るということは決して当たり前ではありません。本当に大切な何かのためであれば、人はどこまでも強くなれるし、優しくなれるということをこの小説から教えてもらった気がします。素敵な、素敵なお話です。
BOOK INFORMATION
あの日消えてしまった初恋を、今もずっと忘れられずにいる――。
僕の大学生活は平凡だった。綿矢先輩と出会うまでは――。
「先輩って大恋愛とかしたことなさそうですよね」「君が知らないだけだよ」。そんな会話から始まった勢い任せの告白。
しかし先輩は“私を本気で好きにならないこと”を条件に告白を受け入れるという。
そうして始まった儚い恋人ごっこ。浮かれていた僕はやがて知る――先輩が“忘れられない恋”を抱えていることを。時折見せる悲しい表情のわけをどうしても知りたくなった僕は、偶然出会った、先輩の高校時代の親友・日野真織に声をかけるのだが……。
映画化で話題沸騰、世界中で感動の声続々の恋と記憶の物語『今夜、世界からこの恋が消えても』の続編がついに登場。
原作でも物語の鍵を握るキャラクター・綿矢泉を中心に描かれる、誰にも気づかれることのなかった“もう一つの切ない恋”。
◆目次◆
さよならの仕方を教えて
知らない彼女の、知れない彼女
この世の光の只中で
終氷
拝啓、あなたへ
- 発売日 :
- サイズ :文庫判
- 定価:715円(本体650円+税)
ISBN : 9784049144666
- 発売日 :
- サイズ:文庫判
- 定価:715円(本体650円+税)
ISBN : 9784049144666
一日ごとに記憶を失う君と、二度と戻れない恋をした――。
僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは――。
クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い、本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れるという。
そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ――僕は知る。
「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」
日ごと記憶を失う彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかしそれは突然終わりを告げ……。
唐突にやってくる衝撃の瞬間。その先に待つ驚きの結末に、読む人すべてが感動に包まれる!
第26回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作!
- 発売日 :
- サイズ :文庫判
- 定価:770円(本体700円+税)
ISBN : 9784049130195
- 発売日 :
- サイズ:文庫判
- 定価:770円(本体700円+税)
ISBN : 9784049130195
道枝駿佑(なにわ男子)/神谷透役
初の主演映画なので、不安もありつつ、楽しみもありつつ、クランクインを迎え、いよいよ動き出したなという気持ちです。映画で主演を演じたいとずっと思っていたので、お話をいただいた時は、とても嬉しかったですし、しっかりと悔いのないように自分らしくやり切りたいと思います。
台本を読んで、すごく感動しましたし、一日一日が尊くて儚くて大切なものだと改めて気づかせてくれるお話だなと感じました。
『セカコイ』が十代最後の映画になるので、十代を締めくくれる、自分のターニングポイントとなるような作品になればいいなと思いますし、この映画を経験して、役者として一回りも二回りも成長したいと思います。
福本莉子/日野真織役
三木監督とご一緒するのも二回目で、お相手の道枝さんも同じく二回目の共演で、いろんな縁が重なっている作品だなと感じています。道枝さん演じる透くんとの関係性が大事になってくるお話なので、共演したことのある方で良かったなと思いました。
『セカコイ』の原作を読ませていただいて、涙が止まりませんでした。私が演じる真織は、一日で記憶がリセットされるという難しい役で、不安も大きいのですが、頑張らなきゃなという気持ちでいっぱいです。監督から「この作品は現場で真織が心を動かすことが大事だよ、大丈夫だよ」と背中を押していただいて、私自身も真織同様、日記を付け始めました。初心を忘れず、毎日毎日新鮮な気持ちで頑張っていけたらいいなと思います。
古川琴音/綿矢泉役
三木監督の作品を観ては“こんな青春があったらいいな”と思っていたので、今回初めて三木組に参加させて頂いて、“監督の作る世界に入れたんだ!”と、とても嬉しかったです。泉を演じる上で、複雑な状況を頭では分かっていても心が追い付かない時があったのですが、監督が「泉は十字架を背負っているんだよ」と言葉をかけてくださって、それが凄く腑に落ちてお芝居に活かすことが出来ました。道枝くんと莉子ちゃんとは初共演なのですが、道枝くんは、文字で見ると照れくさくなるような言葉でも、自然にしっくりきて、そういう言葉が似合う人っているんだなと、王子様みたいな方だなと思いました。莉子ちゃんはどのシーンもみずみずしく、凄くキラキラしていて、こういう穢れない存在を泉は守りたかったんだなと、莉子ちゃんを通して感じることが出来ました。
初めて台本を読んだ時に、自分が大切にしていたことを忘れてしまう悲しさや切なさは勿論、それ以上に真織を支えようとする周りの人たちの愛情に、とても温かい気持ちになりました。凄く切ない物語ではあるんですが、明日を迎えられることや、大切な人と思い出を積み重ねていけることに感謝したくなるような映画になっていると思います。
松本穂香/神谷早苗役
普段演じる役は初々しさを求められることが多いのですが、今回は自分自身とはかけ離れた包容力のあるお姉さんの役で、今までにない挑戦的な役を任せて頂いたなと思っております。弟の透役を演じられた道枝さんとは初共演で、同じ関西出身なのですが、透明感溢れる方という印象でした。一緒に撮影するシーンは少なかったのですが、ご本人の真っすぐさとピュアさが凄く伝わってきて、それが演じる上でとても支えになりました。三木監督とは約6年ぶりにご一緒させて頂いたのですが、「大きくなりましたね」と言って頂きました(笑)演技も委ねて見守ってくださり、ダメな時は納得のいくまで何度も撮ってくださって、凄く温かい監督さんだなと撮影を終えて改めて思いました。監督が三木さんで、撮影が柳田さんで、出来上がる前から皆さんに愛される作品になることを確信しています!この映画は大切な人の存在が心の中にあるだけで、ちょっと気持ちが強くなれたり、心が救われたり、そういった人と人との繋がりの温かい部分を丁寧に描いた映画になっているんじゃないかなと思います。初めて台本を読ませて頂いたとき、もう二度と戻らない尊い時間がキラキラと輝いて描かれている作品だなと感じました。是非劇場で見て頂けたら嬉しいです。
原作:一条 岬
今、当たり前にもっているものは、いつか失ってしまうもの。だからこそ、心を込めて大切にしたい。原作のあとがきをそう書き終えてから二年が経ちました。幾多の別れと出会いがある中で、映画の撮影見学という形で登場人物と再会することができました。道枝さんの演じる透はどこまでも優しく、福本さんの演じる真織は生きることに真摯で、古川さんの演じる泉は大切な何かを守ろうとしている。生きて、動いて、人物として思考する三人の姿に感動し、同時にとても嬉しくなりました。
私が原作者でなくても、この映画は必ず観に行きます。客席に腰かけ、少しの緊張とともに物語の開始を待つ。あとはもう、素晴らしい映像と脚本、心のこもった演技と音楽に身を任せ、笑ったり驚いたり、泣いたりすればいい。そんな最高の映画体験を、一観客として皆さんと待っています。